ロンドン ミュージカル/舞台

観客の平均年齢おそらく60歳くらいの硬派なお芝居「ザ・バースデー・パーティー」

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Contents

The Birthday Party @ Harold Pinter Theatre

ハロルドピンターイギリスを代表する劇作家ですが、シェークスピアの様に、若者にはあまり知られていない様です。

そんなハロルドピンターの代表作の一つ「ザ・バースデー・パーティー」
イギリスでは、階級や風習を風刺した「風俗喜劇/風習喜劇」と呼ばれています。

ロンドンで公開された当初(1958年)は、あまりの不評で8回で打ち切りになったという逸話のある作品です。

会場

「ザ・バースデー・パーティー」を書いた劇作家のハロルドピンターの名前がついた劇場。これ以上に望む組み合わせはありません。

しかし、この劇場は1階席(ストール)の後ろやバルコニーなどの安い席は本当に見難いので注意が必要です。
特にどうしても見たいショーや、お目当の俳優さんが出ている場合などはストールの前方の席がおすすめです。

ハロルドピンターシアターは、ピカデリーサーカス駅が一番近くて便利。
大通りから少しだけ奥まったところにありますので、地図で確認していかないと見逃してしまうかもしれません。

劇場の近くには日本食のレストランや、韓国料理、カジュアルなタイをはじめとしたアジアンレストラン、ステーキレストランの他、チャイナタウンも近いのでプレシアターや観劇後のお食事にも便利です。

あらすじ

イギリスの海辺の町で、メグとピーティーの家に下宿しているスタンリー。
彼の元へ突然、謎めいたゴールドバーグとマッケーンの2人が訪ねてくる。

スタンリーと謎の2人は面識がある様で、2人を避けるスタンリー。
誕生日ではないのに、メグの勘違いで急遽スタンリーの誕生日会を開き、皆でお祝いする事に…。

スタンリー役にBBC 「シャーロック」のシーズン4や「裏切りのサーカス」でも存在感を十分に発揮していたトビー・ジョーンズ。
メグ役には「ハリー・ポッターと賢者の石」に登場する先生マダム・フーチでお馴染みのゾーイ・ワナメイカー。

他にも、TVに出ていたりイギリスでは結構有名な俳優さんたちが出演しています。

私の評価

満足度★★★★
英語の難易度★★★★★

これぞ王道のお芝居という様な、6名の名役者によるやりとりが続きます。
恐らく、彼らの様にしっかりした役者さんが揃っていないと、かなりつまらないお芝居になってしまうのではないかと思いました。

階級による言葉の選び方や話し方も違いますし、本当に正気なキャラクターはいるのか、信じていいのかと思わせるのも狙いらしく、わざと曖昧な事を言ったり、最初に言った事と違う事を言ってみたり。
恐らく私が見逃していた点もたくさんあると思いますが、難易度はかなり高いと思います。

前半、ずっと大声で爆笑している若い女性が観客の中にいたのですが、基本的には皮肉と表面には現れていない静かな恐怖感と狂気、制圧みたいなものもあるので、周りから「コメディじゃないんだけど?」という無言の冷ややかな空気が流れていたり…(汗)
観客は70代以降のご夫婦が多い印象で、あまり若者向けではないかもしれませんね。

セットチェンジは無し、話の展開が早く、2時間ちょっともあっという間に感じました。
でも、はっきりとした結末があるわけではなく、あれは一体なんだったんだろうか?と曖昧な箇所も多く、ちょっともやもやした気持ちで見終わることに。

セットは、オペラやバレエ、ショートフィルムやCM、ミュージックビデオも手がけている映画監督、アニメーターのクエイ兄弟が担当。
あえて特別な仕掛けなどはなく、リアリティを追求したセット。
イギリスの地方にある年代物の家という感じで、以前見た「ハングメン」を彷彿とさせられました。

ハロルドピンターについて勉強している方が見れば、凄く楽しめるのではないかと思います。
初めての観劇の場合は、結構ハードルが高いと思われますが、良いお芝居を見たいというのであればおすすめです。

*鑑賞したのがプレビュー期間であった為、正式オープニング後は多少内容が変わる可能性がありますのでご了承ください。

チケットの取り方

公式ホームページまたは、無料アプリでも簡単に安くチケットが取れますよ。
15ポンドの当日券も、劇場窓口で毎日販売しています。

2018年4月14日まで公演中。