Matthew Bourne’s Sleeping Beauty @ Sadler’s Wells
チャイコフスキーの「眠れる森の美女」を元に、マシューボーンの解釈を取りいれ新たに生まれ変わった美しく壮大なダンス作品。
2012年に初上演された作品で、一昨年にはクリスマス時期にイギリスのTVでも放送していましたが、今回は、その作品が英国ツアーや世界ツアーに出て、再びロンドンのSadler’s Wellsに戻ってきました。
マシューボーン氏と言えば、男性のみの「白鳥の湖」が大変有名ですが、クラシックバレエの作品の他にも「プレイ・ウィズアウト・ワーズ」や「ザ・カーマン」、「シザーハンズ (←めちゃめちゃオススメ!)」など家族で見られる作品から大人向けの作品まで数多くの素晴らしい作品を手掛けています。(ちなみに2001年には、大英帝国勲章を受賞しています)
会場
Sadler’s Wellsは、他のウエストエンドの会場からは少し離れたエンジェル駅の近くにあります。
劇場の周りには、レストランなどもあまり無いのでプレシアターのお食事は済ませてから行くと良いと思います。
ダンス専門の劇場なのですが、舞台から観客席までの距離が結構離れているので、お気に入りのダンサーを見に行きたい人は是非、出来るだけ前の席のチケットを取るといいと思います。
値段ばかりを気にして、後ろの席のチケットを取ってしまうと、かなり見えづらい劇場です。
あらすじ
お話自体は、多くの方がご存知の「眠れる森の美女」ですが、それをダンスでどうやって見せてくれるのか…。
クラシックに始まると思えば、いきなり100年後に飛んで現代の世界にタイムスリップ。
悪魔と天使に携帯で自撮りする若者、お屋敷のお庭での社交ダンスとナイトクラブ、魔女とバンパイア等まさか同じ作品にするのは無理だろうと思われる組み合わせですが、それもふざけたコメディではなく、芸術的な作品に出来るところが彼の腕の見せ所です。
強引な展開に見せかけて、気がつくとマシューボーンの世界にどっぷりはまってしまうはずです。
私の評価
満足度★★★★★
英語の難易度 – (英語なのは、字幕で出る時代説明のみ)
衣装の美しさ、偉大なるセットの素晴らしさ、ダンスの繊細さと所々に散らばめられれているコメディ要素もあり、大作なのに時間の長さを感じさせません。
「ダンスになんて興味がない!」という人にこそ是非お勧めしたい「マシューボーン版・眠れる森の美女」です。
観客には家族連れも多く見受けられ、チケットは決して安価ではないものの、感受性豊かな年でこんな素晴らしい作品を肌で感じる事の出来る子供たちが羨ましい!と感じました。
あと、ちょっとマニアックな話になりますが、私が観に行った時はリアム・ムーアくんがライラック伯爵を演じていました。
同じくマシューボーン氏の「ザ・カーマン」にも出演していたのを観たのですが、リアムくんはミュージカル「リトルダンサー(Billy Elliot)」のウエストエンド初演でビリーを演じた天才子役なのです。
あの時の彼が、こんなに大きくなって…と勝手に母の心境。
チケットの取り方
残念ながらSadler’s Wellsで上演される作品のチケットは、ほとんど安くなりません。
特にマシューボーンの作品は人気があるので、良い席で見たければ安くチケットを買うことは諦めて定価で早く買ったもの勝ちです。