Network @ National Theatre
パディ・チャイエフスキー脚本の同名のアカデミー賞受賞作(1976年)を基にした舞台作品。
舞台上にTV局のセットとレストラン(実際のキッチンと食事ができるテーブル)を作り、実際に観客の一部は、お食事をしながら観劇が出来るようになっていて、お芝居中もウェイターが動き回っているという異色のセット。
最終日までのチケットが、ソールドアウトという話題作です。
会場
もうお馴染みになってきましたナショナルシアターは、ウォータールー駅が最寄り駅。
ウォータールーの駅の中や、駅の周りは簡単にお食事をする場所がないので、観劇後のお食事をおすすめします。
あとは、劇場内にカフェがあるので、そちらでお食事をすることも可能です。会場のロビーで、お弁当を持ってきて食べている人もよく見かけます。
あらすじ
TV局のニュースキャスターを長年勤めてきたハワード(ブライアン・クランストン)は、自身の番組の視聴率低下により解雇を言い渡される。
怒り心頭のハワードは、生放送中に公開自殺をすると宣言。それにより、注目を浴びることになった番組は視聴率があがり、ハワードを「怒れるキャスター」として起用し続ける事にする。
精神的に病み始めたハワードを、彼のためにも辞めさせたいと思う友人と、視聴率の為にハワードを起用し続ける番組プロデューサーたち。ハワードはどうなってしまうのか?
私の評価
満足度★★★★★
英語の難易度★★★
休憩なしの2時間ですが、飽きる暇がないほど目まぐるしく展開します。
インターネットで自分の欲しい情報を得られる現代ですが、それでもメディアが発信する情報は自由ではない。
テレビは視聴者の喜ぶ情報を与え、それが必ずしも全て真実でなかったり、世界で起こっている情報は興味がないからと報道されない。そんな現在にも通ずるテーマを、リアル感たっぷりに20名以上の役者さんたちが熱演。
テレビ局のセットもさながら、実際にステージ上にあるカメラの映像をスクリーンに映し出して臨場感があり、時には既に録画されている動画を使い分けて舞台ならではの使い方もされていて、ただのカメラとビジュアルエフェクトを使っただけの作品では無かったところが、とても興味深かったです。
また、観客を巻き込んだ作りだったのが、他のステージ上で完成されているお芝居の枠には収まらないナショナルシアターらしい作品で良かったです。
ちなみに、私も大好きなイギリスの階級ドラマ「ダウントン・アビー」でレディーメアリー役を演じ、最近では全くタイプの違うNetflixのオリジナル西部ドラマ「ゴッドレス -神の消えた町-」でアリス役を演じているミシェル・ドッカリーが「視聴率が全て」というテレビプロデューサー役として出演。
後から気がついたのですが、メインキャスターを務めるブライアン・クランストンは、何処かで見た事があると思ったら、大人気アメリカドラマ「ブレイキング・バッド」で主演されている俳優さんでした。だから、当初から話題作になっていたのかもしれません。
チケットの取り方
全日程売りきれ。
公式ホームページにて、毎週金曜日に翌週公演の追加チケットが販売されます。争奪戦となっていますが、運が良ければまだチケットを手に入れられるチャンスもありますので、興味のある方は是非。
2018年3月24日まで公演中。